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yoshiaki fujikawa

冨士川義晃
1972年生まれ。 滋賀県在住 1989年より「やまなみ工房」に所属。
彼はいつも、モノづくりをする仲間の姿をジッと見つめている。
粘土する人、絵を描く人、調理をする人…
何をするわけでもなく、声をかけるわけでもない。ただ真剣に見つめ続ける。
時間にしてだいたい30分ほど過ぎた頃だろうか、静かにその場を離れおもむろに粘土に向かう。
彼の制作の手法は独特だ。その大きな体から想像する予想に反し、
そっと人差し指で粘土の塊からわずかの量を取り、
両手の掌で数回こすり合わせて紐上にしたものを優しく重ねていく。
約一時間、その紐は無数に重なり瞬く間に大きな粘土の塊になり生命力を宿す。
制作前の30分。私たちにとってなんでもない当たり前の光景は、彼にとっては意欲を掻き立て学び、
盗み自分の中に取り込む。
そして想像力をMAXにし自分のスイッチをONにする。彼は今日も納得するまでジッと見つめている。
彼の目に映り彼の心に響くものは彼にしかわからない。
きっと彼が一番興味深く、大好きな人、安心できる風景なのだろう。

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